【読書メモ】転職の思考法

こんばんは。

「転職の思考法」についてまとめます。

本日紹介する本

この本をおすすめしたい方

・転職するかしないかは置いておいて、いまの会社でのキャリアに少しでも悩みがある方
・転職したいけれど、何から始めたらよいかわからない方

概要

2人に1人が転職する時代になったが、まだ転職は悪であるというイメージを持つ方も多い。
また、いざ転職しようと考えても「自分は今の会社以外でやっていけるのか?」「専門性もスキルもない」「失敗したらどうしよう」といくらでも不安は湧いてくる。

実際に転職するかは別として、「いつでも転職できる」と思えれば、働き方が変わり、生き方が変わり、社会が変わる可能性がある。
そう考える著者が、転職に必要なうわべの情報ではなく、本質的な思考法についてまとめた1冊。

まとめ

会社を選ぶポイント

1.マーケットバリュー
2.働きやすさ
3.活躍の可能性

マーケットバリューとは市場価値のことで、個人の持つスキルと経験、人脈、業界の生産性で測られる。
マーケットバリューを高める選択を繰り返すことで、一生食べていける。

働きやすさはマーケットバリューと相反しない。
市場価値の高い人間が集まる組織は働きやすい組織であるから。

活躍の可能性は、入社時に見極める必要がある。
これまで培ったスキルは活きるか、中途で入社した人が活躍している会社かを面接で確認し、自分が入社したあとに活躍できるイメージを具体的に持てるか確認する。

選択肢を持つ

実際に自分が転職するかはさて置いて、いつでも転職できるという選択肢を持つことが重要である。

この会社に居続けなくては、と思うと、上司からの理不尽な要求にも応えなければと思いつめ、どんどん仕事が辛くなっていく。
「自分はどこでもやっていける、そのうえでいまはこの会社で働いている」と思うことが出来れば、理不尽な要求にはNoと言い、自分を曲げることなく仕事に打ちこめる。

本書の中では会社に居続けることが目的となり、不正に手を染める人間が登場する。
不正まで働くのは大げさかもしれないが、逃げ場がない中で耐えていると、心身ともに追い詰められ、ますます会社から離れられなくなることは容易に想像がつく。

「消去法で会社に残っている人間に、いい仕事はできない」(p179)

「やりたいこと」は必要ではない

転職を考えたときに「やりたいこと」が見つからないと悩む人は多い。
しかし、多くの人にとって「やりたいこと」は必要ではない。

世の中には2種類のタイプの人間がいる。

・to doに重きを置く人間:何をするのか、で物事を考える。明確な夢や目標を持っている。
・beingに重きを置く人間:どんな人でありたいか、どんな状態でありたいかを重視する。(p214)

99%の人間はbeing型の人間。
ありたい状態が描けるのであれば、やりたいことが見つからなくても悲観することはない。それは妥協ではなく、価値観の違いである。

仕事を楽しむには適度な難易度の環境に身を置くことが必要。
つまり、『マーケットバリューがある程度あること』『求められるパフォーマンスとマーケットバリューがある程度釣り合っていること』(P218)

そしてやっていることではなく、やっている自分を好きでいられること。

being型の人間はこれらの点を意識して選択を行えばよい。

感想

転職をするとは決めていないけど、今のままでいいのかな?と思って読んでみた本。

転職って、本書に書かれている通り、痛みを伴う意思決定だと思う。
これまで現職で培ってきた関係性、立場、スキルを一度手放して、成功が保証されていない新しい場所に行くことはやっぱり怖いことだ。

同じ会社に長くいると、ついマーケットではなく上司を見ながら仕事をしてしまう。
今の自分のマーケットバリューは?と言われても即答できない。
会社がうまくいっているうちはそれでいいかもしれないが、もし会社が傾いたとき、もしくはソリが合わない上司と組むことになったとき、いきなり市場に放り出されてもどうしていいかわからないだろう。

だから転職するかは置いておいても、自分のマーケットバリューを見直す必要がある。
そしてどんなスキル・経験を積めばそのバリューがさらに高まるかを考えながら仕事を選択していく必要がある。

その際どうしても「本当にやりたいことってなんだろう」といい歳して自分探しの泥沼に入りそうだが、その際は「多くの人にとってやりたいことは必要ない」という本書の内容に立ち返りたい。